ハッピィハロウィン……
私は誰も気づかないほど小さくて、
目に見えないほど偉大なもの
それは聖者のような悪魔だった
「カウボーイ・ビバップ」はもともと’98年に深夜枠でテレビ放映されたアニメーションでして、大人オシャレな雰囲気の絵や音楽が一部の好事家たち(大きなおともだち)の間で人気を博し、当時これも見た目に騙されカッコEとリバイバルブームとなっていたルパン三世の尻にのるカタチで「ポスト・ルパン」とか言われたもんで、だからルパンは善人じゃないちゅうに。彼の笑顔や優しさは自分に有利に事を進めるためのテクニックだって、マッタクモウ。
その劇場版。
テレビ放映時は全26話中13話までの放映。
改めて後に全話放映されました。WOWWOW!で。
そんなあからさまに大人の事情満載なデビューを果たした「ビバップ」が、これまた大人の間でもてはやされたのはある意味必然だったのかもしれません。(間違い)
ちなみに劇場版はセッション#22〜23のあいだの話ですが、確かにそれ以降は話にならない追加シナリオなんて望めないハードさでしたっけ。
ハロウィンを目前にした火星都市アルバシティで、生物兵器と思われる物質を使ったテロが発生した。その場に居合わせたフェイは、現場から立ち去る不審な男を見ていた。その犯人に未曾有の賞金金額3億ウーロンがかけられる。スパイクたちカウボーイ(賞金稼ぎ)は、フェイの見た男を調査するが、実はその男は記録上、「死んで」いた。
ジェット、フェイ、エド&アイン、そしてスパイク。4人と1匹のSESSIONが、いまふたたび。
という話。
世界観、雰囲気を楽しむというのがよいスタンスの作品でしょう。
当作では世界や登場人物の背景は、多くは語られていません。
既存のシリーズを知らないと不安になるほどですがそこは「劇場版」ですから。「版」。
と、思ったら杞憂でして、コレが「ビバップ」初見の私の友人も楽しめたそうで。
リアルな日常描写と道ゆく人々がまず良い。
こういう他愛ないとこにいかに力注げるかでリアル感が変わりますよね。大きな一つの嘘にリアリティもたせるためには、他のところの「リアル」は徹底する必要があると思うのです。
また、SF的光景とアニメ的造形主要キャラが意外にマッチしてふしぎなインパクトあり。
そして、おなじみ菅野よう子の音楽世界が心地よい。
こんなにもクールでスタイリッシュなのに、笑いもたくさんなのがカッコイイ。
そして、これからがポインツ。いいですか。
カウビバのいっちばん大好きなところ、これが今回、輪をかけてよかった。
それが、アクション。 3.2.1...Let's go!
って、この「321・・・」ってシリーズ未見者にはわかりづらかったかしら。
マ、マ。
とにかく出てくるアクションシーンのすべてが見事。
力のベクトルが考えられた動作と、アニメ的な誇張とカメラワーク。
こういう表現もあったか!と、うならされる動き、ポーズの数々。
それだけで満足。 かなり個人的な視点ですがすごい良かったですよ。
あーカッチョイイ。
「千」とは違い、万人受けはしないかも知れない。
ただし「千」とは違った意味で、日本のアニメの良さを再確認。
それは雰囲気であったり動きであったりするのですが。
マ、わざわざ映画館で観ることもなかったなあと思ったことは私と君だけの秘密だ。
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