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壬生義士伝(みぶぎしでん) | 2003/1/18 | ||||
というか年末にいきなり恒例10時間ドラマでテレビ東京が渡辺謙版「壬生義士伝」とかやってたもの。「いやーここはドラマで興味持たして劇場版集客倍増だよ、なにしろ2002年は「たそがれ清兵衛」もヒットして今、時代は時代劇だからだねー、うっしっし」なーんて事情はマサカなかったでしょうけど、だいたい2週間かそこらしたら劇場版公開だっつーのにドラマとかするな。テレビで同じ原作のドラマ視聴後にわざわざ映画館まで足運ぶ人なんているのか? 内容多少異なるとかつっても同じ「壬生義士伝」だし一般的にはまったく同じ話だと判断されて、目論見の相乗効果で集客倍増ドン!どころか「テレビで観たしもういいや」と観客半分にちゃったと思われ、結果的にテレビと映画、伊東甲子太郎並の裏切り行為、お互いが。 ま私は諸般の事情がありましてドラマ見てなかったのでありまして、この度ドラマのHP アクセスしてはじめて配役確認したトコロ、あらヤダちょと観たい。ところで私のダイスケな村田雄浩サンは映画版もドラマ版も両方重要な役で出てるんですが、公開日近いんだから同じ内容のドラマで別人の役はしないで頂きたい。 で感想なんですが長かった、しかし感動の2時間17分! たまに飽きさせながらも力業で泣かせます! というかこれで感動しなきゃ嘘だろ、長い時間観たし・・・と自分を導くことウケアイ。 いえ決して不満足なわけではありません。勝手な想像だけど渡辺謙より中井貴一のほうが主人公である奥州南部の田舎侍の風情が出てるんじゃないなあと思うのですよ。田舎者のあかぬけない一途無骨さと、武士であることから発する忠義とすさまじき剣技、このギャップは中井貴一のときのほうが出ると思うんですよ。つまり中井貴一が田舎臭いってことだが。 「壬生義士伝」は実は新撰組の話なんですよね。ただ中井貴一演ずる吉村貫一郎という男を主人公に据えてるところが新しいと言われるわけですよ多分。この吉村は 奥州南部出身で北辰一刀流剣術の達人。慶応元年4月、江戸で新撰組に入隊し諸士取調役兼監察、撃剣師範、目付を歴任。慶応3年6月、幕臣に取り立てられ見廻組並の格を受けるが、鳥羽・伏見の戦いに敗走後、大坂で脱走。出身の南部藩邸に出頭し、帰藩を求めたが、諫められ切腹するというエピソードが残ってます。実は鳥羽・伏見の戦いで戦死した嘉村権太郎と同一人物の可能性があるが実際はよくわかりません。 一般に伝えられる吉村像は、南部藩の下級武士で妻子5人を抱えて食うや食わずの生活を送っていたが、たまりかねて文久2年に脱藩し、大坂にやって来たところ、翌年春に新選組の募集があり、渡りに舟と入隊した中年隊士、とされてます。まー現実には年齢も入隊時期も資料によって違うんですけれども。また、南部藩邸での切腹に際して遺品を故郷の家族に届けるよう血文字でしたためた、というエピソードも含めて、これまでの吉村像はフィクションっていうか嘘だらけ。 そーゆー嘘を集めて、吉村が家族をおいて江戸に上がったのは家族の食い扶持を稼ぐため愛のためだといったつじつまの合う感動ストーリーをでっちあげたところに浅田次郎の力を感じるわけですけれども、もとあるエピソードや史実(?)を活かそうとしたためか、鳥羽伏見の後、家族を想うはずの吉村が瀕死の状態でまず藩に召し抱えてもらうために役職者のところに走ったのがイヤダ。いっそ創作ならそんな事実無視して家族に最後の別れに走らせれば良かったのにね。けどまあ深読みすれば、傍目には死傷だけど本人は傷を完治させ死ぬつもりじゃなかったなら、まず藩帰参して家族のために生活の糧を確保するというのもありか。 で、この時結局吉村は死ぬわけだけど享年29歳。若い。中井貴一版吉村見たから余計に若くカンズル。中居貴一版どうみても40歳代。 あと基本は回想シーンで展開する映画版ですが、最後に個人的には一種のカタルシスがくるわけですよ。「ハ!そういえば声だけだった、マサカマサカ・・・」とドキドキドキ。いやたいしたドキドキでもないんですがね。この種明かしがしたかった為だけの回想形式だったのかって気もしなくもない。 いきなり時代前後しても気にならない手法ではある回想形式であるからして、単純に観客の驚き誘うためだけではなかったとも思いますが。オムニバス形式でいろんな話織り交ぜていくには回想は無理のない手法ですよ。 とはいえ今回の回想方式は果たして成功だったかというと少し疑問。だって回想してる人も明治の人なんですね。吉村と同時代の人間で、両者とも私たち観客にとってはある意味同じ過去の人なんです。これが吉村に関わりのある、平成(せめて戦後昭和)に生きる人物の回想なら、過去から現代、そして未来へとつながる時間の流れを感じて印象違ったと思う。だって過去の人がさらに過去の回想したところでと時間の流れは私たちのところまで届いてこない。せっかくの回想が中途半端な効果しかもたらさない。単に最後のどんでんがえしのためだけの利用で、実に勿体ない。 そんなことはさておいてゼヒ映画の公式HP見て下さい。(下記リンク参照) Frash版とHTML版の内容が違う不親切はさておいて、Frash版のアニメやりすぎ。これまたいろいろ中途半端で度肝抜かれちゃった。 なんだかんだと映画の出来不出来は別にして私はこの映画楽しかったんです。というのは鑑賞前にたまたま「陸奥圓明流外伝修羅の刻 幕末編」を読んでおりまして「この頃出海(主人公)は・・・?」「ここで出海登場か!?」ってずっとドキドキしたりしてたのは確かでして、バカか私は。 かしこ。
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端役脇役がたまらん映画です。 親子愛だねえ。お母さんとか泣いちゃうよ。 年取って格好良くなったなあ佐藤浩市。 でもこの絵はかっこわるいな。 オイ、浩一。聞いてるか? 中谷美紀さんが良かった。特になにげに鼻歌うとこ。 テレビ版のほうはこんな感じ。 |
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作品公式HP:http://www.mibugishi.jp/ テレビ東京版HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/mibugishiden/ |
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壬生義士伝:DVD(テレ東版含む):原作 関連本:原作者:浅田次郎 DVD:監督:滝田洋二郎 CD:音楽:久石譲 DVD:中井貴一;佐藤浩市;夏川結衣;中谷美紀(DVD以外含む);村田雄浩 おまけ:修羅の刻2巻、3巻 |
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