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バトル・ロワイアルII 鎮魂歌〈レクイエム〉 2003/7/10

「“殺しに行け!”と、先生が言った。」

 話ムチャクチャですこの映画。設定、ストーリーの辻褄なんて微細なこと、まともに考えるヤツなんか絶対いなかったに違いない。まあ前作からムチャクチャちゃあムチャクチャだったですけれども、輪をかけてといいますか、勢いだけはありますね確かに。深作欣二監督がクランク・イン直後に他界して、遺志を継いだということで、おそらく私が高校生の頃クラスマッチのラグビー大会で敵のタックルで仲間がひとり脳震盪おこしちゃって欠員がでたとき「やつのためにも」っつう異様な盛り上がりを見せて試合に勝利したようなあの感じ? 深作息子を筆頭にただただ突っ走ったご様子。目は閉じたままで。


 前作から3年後という設定で、今回も藤原竜也演じる七原秋也(ななはらしゅうや)が主人公です。前作ではふつうのというか、どちらかというと一見柔弱で状況に翻弄され優柔不断、しかし時折かいま見える芯の強さといったものが売りだったんですが、今度の七原はテロのリーダーでいわばカリスマ。どうなんすかねコレ。七原は大人との正義の戦いと言いつつその手段は無差別テロだし、これは現在の若者の短絡思考を皮肉ってるのかどうなのか、まあ七原を戦闘集団のリーダーにしたほうがランボー的単独行動ゲリラ戦より一見見栄えのする派手な戦争シーンにもっていきやすいとか、どうせそのためだけの設定でしょうけど。七原を先生にしちゃって「教育がいちばん確実で即効性のある改善策」だなんて謳わせたら、生きるための抵抗としての戦闘は兎も角、景気のいい気持ちいい殺戮とかできないしね。

 ほんでそのメインのバトルなんですけれども、公開前に危惧してたのが、七原チームvsバトロア選抜チームらしいってこと。チーム戦なんですよね。チーム戦だと信用できる仲間がつくりやすく観る方も結構安心してみれるんです。前作は基本は個人戦で、各々がチームを組んでもそれはその場限りのもので、やがて裏切りの恐怖や戦闘の不条理といったものをひしひしと感じたんもんです。けれどスポーツのようにチームバトルとして設定されるとまさにスポーツそのもの、軽い気持ちで殺し合い、みたいな。
 ストーリーとしては前半でいきなりバトロア選抜は5人10人一気に、こっちがキャラの顔を憶える前にこれだけ死ぬのはどういうことかと不安になりましたが、あれはもしくはノルマンディー上陸作戦のオマージュのつもりかしら。なんてここでとっとと殺しとかないと映画の後半、時間が足りないだけでしょう。実は後半は予想もしなかったすごい大規模なチーム戦になっていくんです。あ、予想してたかも。


 物語のスケールはでかくなり、「あの国」とかつってあからさまなアメリカ批判、少年犯罪への警鐘、大人たちや社会の愚劣さ、そして映画としてのアクション充実度などなど、いろんなものを詰め込もうとした今作、どう見ても失敗でしょう。前作の面白さにはぜんぜんかないません。まあ教師RIKIは良い味だしてたかなあ。RIKI、とても昔トレンディードラマ系にでてたなんて今や絶対信じられないミナミの帝王・竹内力ですね。でも、ラグビースタイルのときは、笑顔にちょっとトレンディーの名残が。つうか待て、なんだあのラグビーシーンは。あそこでギャグはないだろう。ギャグじゃないのかな、それならもっと始末が悪い。
 そいや相馬光子でしたっけ? 柴咲コウが「1」でやった役。ああいうインパクとあるキャラもなかったですね。ヒロインも前田愛より亜季のが私好きだし。だいたいR15指定云々で論議になるレベルかなこの映画。あ、レベル低いから見せちゃ駄目ってことかしら。「1」はむしろ「中学生排除したらいかん。観せなさい」とも思ったんですけどねぇ。素直に殺し合いだけさせときゃまだ傷は浅かったのに、思想を絡めたのが敗因でしょう。ガンバレ深作息子。いやマジで。


 映画のロゴは格好いいと思います。


関連作品
「バトルロワイアル」

期待してたんだけどねえ。


七原秋也(藤原竜也)率いるワイルドセブン(上)と戦闘シーンとか。


七原、ちっぽけな男に成長しやがったぜ。


今度のバトロア選抜。みんなすぐ死ぬ。


予告でも目立つ左の彼女。ぜんぜん活躍しないの(泣)


塚本高志くんもいた。前田愛ちゃんと竹内力先生の画像集めるの忘れた。

映画公式HP:http://br-new.jp/index.html

バトル・ロワイアルII 鎮魂歌
book:高見広春, 杉江松恋「BRU鎮魂歌」(原作)
amazon.co.jp
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