館top
ぼくの孫悟空 2003/7/24

このせかいで ほんとにだいじなもの

 手塚治虫のマンガ「ぼくの孫悟空」が原作でして、その元ネタは言うまでもなく「西遊記」です。この作品はこれまで、映画とテレビアニメと過去に2度アニメ化されたようですが、どちらもマンガ原作とは似ても似つかぬものだったとのことです。テレビ版の「悟空の大冒険」は、両親の話によると私も「観てた」らしいのですが、その放映時期(1967)には私・・・生まれてないんですけど?(笑) まあ、再放送かもしれないですね。とにかく詳細は憶えてないし、マンガ原作のほうは、これは読んだことありません。なので今回、原作をどれほど汲んだアニメ化なのか、それはちょっとわからないです。(注:原作後日読んだけど、ストーリーは全然別物でした) それよりもいまこの時期になぜ「ぼくの孫悟空」なのかってことで、平成に復活した「アストロ・ボーイ」の余波に乗って、手塚の隠れた名作発掘!とかいう企画でしょうか。でもあまりに隠れすぎてとっつきにくくても困るので、「西遊記」のネームバリュかりちゃえ!…という大人の計算?

 絵的には2003年版「鉄腕アトム:アストロボーイ」と同じ系統の絵ですが、あれほどおちょぼ口でもなく、肌などに妙な光沢もなく、私はコッチのが好みですね。 
 編集的には少し古臭い感じもしましたねえ。昭和の編集といいますか、唐突なんですね。例えば名作ボクシングマンガ「あしたのジョー」は全16巻なんですけど、同じくボクシングマンガ「はじめの一歩」は現在60巻超えてまだ続刊です。極端に言えば、共にボクシングで成り上がるという、内容は一緒な両作品ですが、巻数にはこれほど差があるんです。今のエンターテイメントって、昔と同じストーリーでも、細かいエピソードを折り込んで昔の数倍の長さになっちゃいがちなんですね。結果、巻数の割に話は進展してないということになります。ただ印象としては「一歩」より「ジョー」のが長いという気すらして、そこに密度希薄化に伴う印象の減殺という、現代マンガの危惧を感じたりもします。て、話変わってきてるし。
 つまり、今回の「孫悟空」は必要以上のエピソード描き込みに執着しないんですね。だから現在放映中のテレビアニメと比べるとあっさりで唐突感がありますので、今の子供たちはこの「孫悟空」にちょと違和感憶えるかも知れません。

 ただこれ、お話はなかなかお見事でして、孫悟空の生い立ちというのが、崑崙仙人という、まあワルモノなんですがこいつに「作られた」ということでして、つまり悟空は悪役の野望の道具としての存在。だから彼は力を求め権力を求め暴れるという、生まれながらにそういう魂を持たされてたってことなんですね。これがヒロイン(つうか猿)の愛鈴たちの手助けで修正されていき、悟空にとっては絶対的存在とも言える崑崙仙人の呪縛を自ら解き放っていくという様がたいへんステキだと思います。男の子がすっくと立ち自分のその力を振るうのは、自分のためだけじゃないと。カッコイイ! この点、某「宝惑星」で「大人はわかってくれない〜♪」とか歌ってそれまでの行程をぶち壊すモラトリアム俺節主人公より1000倍は大人の男です。(猿だけど)

 まあ悟空が呪縛を解き放ったところでこれはやっと天竺へ旅立つ準備が整ったというあたりでして、ジャンプ10週打ち切りにかつてよく見受けられた「サア、敵地に乗り込むぞ!」に近いノリのエンディングと思って頂ければわかりやすいでしょうか。興行成績によっては続編狙ってるのか、まあ映画は無理で、できてもOAVがせいぜいだとは思いますが。

 そういえば当作の話題のポイントとしては、主人公・孫悟空の声に優香、愛鈴に元SPEEDの今井絵理子採用という点もありました。優香はまあいい。むしろかっこいい優香。で、今井絵理子はどういう大人の事情があったかは存じませぬが、何だコレ?(笑) 映画主題歌が採用されるのはいいんですけど、声優までさすな、と。だいたい2,3年前ならともかく今この時期に「元SPEED」って、「悟空」プロモーションにとってなんのメリットがあるのやら。子供知らないんじゃないすか、SPEEDなんて。……は! 悟空プロモっていうか年末のSPEED復活のプロモーション(時事ネタ)のほうか! 主体はもしかして逆!? まあなんでもいいですけどひとりで作品の品質を落とす技量はなかなかのもんでして絵里子、…あ、

 映画「アンドロメディア」(1997)が苦笑されてた理由ってそういうこと!?

 

実はこれまでそのアニメ化がことごとく失敗した手塚作品でーす。


ただの猿、それなりに幸せ。

お山の大将になったはいいが次第に退屈な日々。

退屈だからお山の大将は腕力にもの言わせ暴れちゃう!


けれど男の子はやがて自分のために愛する者のために立ちあがるんだ。だって男の子だから!


猪八戒の声は鈴木ヒロミツ。


大丈夫か、ERIKO。で、Crunchはどうなった?

公式サイト:http://www.tezuka.co.jp/songoku/
手塚治虫公式サイトよりマンガ「ぼくのそんごくう」紹介:http://ja.tezuka.co.jp/



ぼくの孫悟空
book:手塚治虫「ぼくの孫悟空(1)」(全8巻)
cd:今井絵理子「Butterfly」(映画主題歌)

dvd:関連(?)アニメ「ぼくは孫悟空」
amazon.co.jp
サーチ:
ワード:
館top
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送