館top
ゼブラーマン (ZEBRAMAN) 2004/2/17

白黒つけるぜ!!

 哀川翔の主演100本目記念作品。「100本目はぜひ三池監督と」という哀川との約束を果たすため監督に三池崇史。その三池が面識もないのに「なんか売れてるから」という理由で脚本に宮藤官九郎(クドカン)を呼びまたクドカンがそれに応えたという、組むべくして組んだ熱い男たちのおりなす超HEROストーリー! これでおもしろくないわけがない!! おもしろくなかったけど。

 いえ、おもしろくないことはない。そこそこおもしろくはありました。しかし何かが足りなかったのです。

 市川新市(哀川翔)は、児童から醒めた目で見られ、家庭は崩壊気味の小学校教師。唯一の楽しみは、昔、7話だけテレビ放映されたヒーロー「ゼブラーマン」のコスチューム(自作)を着ること。その格好でこっそり街へ出たある日、新市は偶然出会った怪しい男と乱闘に。その頃、防衛庁が密かに調査に乗り出していた。実は、人間に寄生した宇宙人が地球侵略を目論んでおり、新市が倒したのはその宇宙人だったのだ。やがて新市は、本物のヒーローとして悪と立ち向かうことになる…!

 あらすじ読むとおもしろそうだよ、やはり。ふつうの、むしろ冴えない男がヒーローとなるんですもの。もちろん元はダメ男なのですけど、唯一TV版「ゼブラーマン」を知り、市川が現実のゼブラーマンとなったことを知ってる少年とその美しい母親(鈴木京香)といった数少ない理解者の協力、やがて父親の正体を知った息子の力強い一言「…お父さん、がんばって」で男は立ち上がらずにおれるか!という。
 単にかっこいいだけじゃないヒーロー。悩みだってエイトマントか仮面ライダーのように人と人で有らざる者との間で葛藤するという重いが絵になる苦悩があるわけでない。こんな(コスプレ)姿を人に見られたら恥ずかしい、って程度の悩みです。コスプレだから変身だって自動でしない、自分で着替える。とにかくかっこわるいとこが目立つんですね。でも今の時代それはいいと思うんです。となりのちょっとかわいい女の子が大スターになるという、「自分ももしかしたら…!?」という感覚が大事なんです、たぶん。
 でもこの「ゼブラーマン」では等身大のリアルヒーロー描いたというよりも、単にかつてのヒーローものの舞台裏を描いてみました的パロディとしての印象が強かったんですね。

 そう、パロディなんですよね。一見まじめ、でも実は大人の洒落で包んでみましたーって、「ゼブラーマン」はそういうヒーローパロディ作品なんです。前半は脱力系のギャグが連発される。後半は一転、変身ヒーローものの定石に従い、さえない小学校教師がゼブラーマンに昇華していく姿を感動的な演出で描き…だそうとしてるとは思うんだけど、トータルとしては制作者の熱い想いの表出よりも「昭和ヒーロー世代ならコレわかるよね?(にやにや)」といったウチワウケB級映画的問いかけに終わってる気がします。それをみて観客が「あはは、わかるわかるー」って。違うだろう! そうじゃないだろう、ヒーローものは!!

 説明不足も多い。市川は自分でつくったヒーロースーツ着てるだけなのに、あるときを境にいきなりスーパーアクションできるようになるし、スーツもクライマックスでは特別製に瞬間に本当に「変身」する。でもその説明なし。どうやらスピリッツ(小学館)で連載中のマンガではその理由が明かされてるらしいが、わかるかっちゅーの。だいたいVFXだかワイヤーアクションだかCGだかしんないけど、どれもどうしようもなく安っぽい。いや違うんだ。不満はそこじゃないんですよ。

 もっと大人ののめり込みを見せて欲しいんです!!

 そして私たちを魅せて欲しい。パロディもあっていい。予算の都合で安っぽいつくりでもいい。エログロあってもいい。ただ男の子の熱い心意気を感じたかったんです。でもすべてが中途半端。パロディか本気か、どっちつかず迷ったまま制作しちゃったような。
 こんなことなら今テレビでやってる仮面ライダーとか戦隊モノのほうがよっぽどわくわくする。脚本はクドカンでしょう? 当サイトで言うなら「ピンポン」や「GO」の脚本を手がけたあの人。あの熱い映画はなんだったんだ。ヒットメーカー・クドカンってこんなもんすか? 三池さんは? ゼブラ・ナースなんかでごまかされないぞ。鈴木京香にあんな露出度の高い服(画像見あたらず)を着せたのは確かにスゴいけど、めまいもしたけど惑わされないぞ! 大人で逃げるな! 大人を逃げるな!


 いろんな意味で白黒つけて欲しかった作品。熱血マンガ家・島本和彦先生の意見をぜひお伺いしたい。


最初「ZETMAN」(桂正和)かと…。


ヒーローが疲労という違和感がいい。

最後にほんとうのヒーローになった!(スーツも)

内村さん、いい味。



これがテレビ版「ゼブラーマン」だ!

メディアミックス戦略でただ今連載中、マンガ版「ゼブラーマン」
おまけ:ゼットマン(読切.ver)


公式サイト:http://www.zebraman.jp/ ←サイトのノリは最高です!

ゼブラーマン
dvd:「白黒つけた男たちメイキングオブ「ゼブラーマン」」
cd:サントラ「ゼブラーマン」
cd:ハイロウズ {MAXI}「日曜日よりの使者」(映画主題歌)
book:宮藤 官九郎 (著), 山田 玲司 (イラスト) 「ゼブラーマン」1巻

book:桂正和「ZETMAN―桂正和短編集」
book:桂正和「ZETMAN (1)」
amazon.co.jp
サーチ:
ワード:
館top
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送