1994年 ノーベル経済学賞 受賞
ジョン・ナッシュ
天才数学者の栄光と狂気と孤独を描いた物語
物語は1947年のブリンストン大学からはじまる。
全米から秀才数学者が集まる大学だ。
ジョン・ナッシュはその中でも極めつきの変人。
独創的な論文を書き、人に認められ、賞賛が欲しいというのが彼の夢だった。
だからフットボール選手の動きやらエサをもらう鳩の動きやらナンパする学生の動きやらまで数式化していく。独創的すぎだアンタ。
まあなんだかんだで論文は認められ「サラリーマン金太郎」でも有名なMIT研究所に入ることができた。
しかしおりしも世は冷戦時代。ナッシュも国家の極秘任務を手がけることになる。
あ、ナッシュってなんか気になると思ったらアッシュ・リンクスに名前が似てるんだ。
「バナナ・フィッシュ」あのマンガ好き。関係ないけど。
ジョンはやがて1994年にノーベル経済学賞を受賞した。
だからそこまでの苦悩と立派ぶりあらわしたヒューマン偉人伝かと思ってた。この映画。
大間違い。天才と狂気は紙一重。
彼は「狂気」という病気になってしまうわけだが、その治療のために薬を飲むと「天才」でなくなる。思考力が鈍ってしまうからだ。
風邪を治すために薬飲むと眠くなって頭の動き鈍るとか、そんなかんじか。
でもジョンには数学しかないわけで、故にジョンは狂気をなくすのではなく折り合って生きていくことを選んだ。そっからがおもしろい。
隣に座ったどっかのおやじもコーヒー片手にウハウハ唸るほどだ。うっさいよ。
けれどその前に、観客はかなりかなり驚かされることになる。
ちょっと予想外。すげえ。びっくりしたっす。どっかのおやじも驚愕してました。
世の中のすべては数学であらわせる。
そういうジョンの考えが前半で徹底的に示される。
個人的にはこのあたりの彼の思想経路が圧倒的に興味深い。
けれど映画としてなら、やはり後半か。 先にも述べたが狂気と生きるジョンがおもしろい。否おそろしい。
この作品の題名は「ビューティフル・マインド」
数学者の話、科学的な話。
しかし根本は、だいじなのは題名にもあるマインド、魂ってこと。
じゃあ「ビューティフル・マインド」とはいったい誰のソレなのかしら。
私にはジョンの妻役、ジェニファー・コネリーのだと思えます。
今でもまだまだカワイイですね、びゅーちふる。て、それ見た目やん。
や、主役はこの人だよね、この映画。マジで。真面目に。
いまさらですが主演はラッセル・クロウ。
あいかわらずかっこよくは見えないんだけどかっこよく見える。役者だなあ。演技すごい。ような気がした。多分
今回のアカデミー賞で4部門を獲った同作であるが、それは伊達ではなかった。
なかなかの佳作だと思います。佳作かよ。偉そうに。
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