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アバウト・シュミット (About Schmidt) 2003/6/1

すべてを失くした日、人生最高の贈りものが届いた。


 定年したら何もなくなったという老人が自分探しの旅に出たという、言っちゃうととってもありがちな筋立てです。その旅の目的も実は娘の結婚式阻止というはなはだネガティブなのがなんですが。おまけに自分探しの旅の道中もこっちの期待に背いてたいした出逢いはない。淡々。いや逆にマイナス方向にも普通に淡々と物語が展開しちゃうもんで、そんじょそこらのアクションものやサスペンスよりよっぽどドキドキします、いやホント。

 おそらくメディアの評価でもご存じの通り、ジャック・ニコルソンの演技は確かに素晴らしい。僕は彼の映画って正直なところ、キムタク的に言うと「ぶっちゃけオレジャックの映画見たことねー」状況の中、ホントあまりにジャックの演技が見事すぎて、実はヒューマンドラマでもなんでもないこの辛辣な映画のオブラートとなっております。

 大事なモノは失ってからでは遅いんだから今あるうちに気づかなきゃとか、私のパパもこうなのかしらとか、僕も定年後の人生考えとかないとナアとか、映画観て身につまされながら思っちゃいます。後悔先に立たずですかね。
 ていうかこのシュミット爺さん、よく見ていくと別に定年がきっかけで孤独になったわけでなく、おそらく若かりし頃からずっと孤独なんですよね。ただ孤独ということに自分気づいてない。いや気づいてなかったら孤独じゃないのかしら、まあ良いか。孤独が孤独感という形でなく怒りという形で表出してたようです。ややこしいね。オレはオマエのためにこうしてやってる、なぜわかってくれないんだ!?という形。彼は確かにみんなに良くしてやりたいんだけれども、それは自己満足のためで、他人の気持ちは考えてないんですよね。他人にも「自分の世界」があるということがわからない。ウザイ小市民オヤジです。
 定年という要素とジャック・ニコルソンの愛嬌ある芝居がその独善を感じさせない、つまりオブラートなんですね。じゃあオブラートを取るとどんな映画かと申しますと、年取って手遅れになる前の若い世代へ、彼らのその他人との関わり方に一石を投じようとしているのです。知らないけど。

 エンディングは実は予想範囲内の「奇蹟が訪れ」て終わるわけで、別にどんでんがえしはありません。観た人がこれを唐突とかありきたりとか否定的にとろうと、感動的だと肯定的にとろうとどっちでもいいんですが、シュミット爺さんにとっては確かにハッピーエンド、いやハッピースタートであり、彼の将来に希望の見える良いエンディングだと思いました。

 それから手紙にかこつけたモノローグは、単なる心情吐露になってなくってうまい演出だなあと思った次第です。かしこ。



映画公式HP:http://www.about-s.jp/

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