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ゲロッパ! (Get Up !) 2003/9/1
踊るゴッドファーザー、参上。

 井筒和幸監督の最新作ですね。まだ映画撮る気あったんですね。ワイドドショーその他で俗に言う「毒舌」ふるって痛快系ご意見番という姿は資金集めだったということでしょう。ま、なんでもいいですけど。

 ゲロッパって聞けば誰もが思い浮かぶのがJB、ジェームス・ブラウンの名曲「セックス・マシーン」、GETUPの発音がゲロッパに聞こえるという、タモリのいうところの「空耳アワー」。それがまんま題名です。
 西田敏行演ずるヤクザの親分が、もう明後日には刑務所に入らねばいけないということで、岸部一徳や山本太郎などの子分が彼の最後の望みをかなえようという話です。望みというのは、親分が大ファンのJBと、さらに親分が25年前に生き別れた娘、これは常盤貴子が演じてるんですけど、この2人と会うということですね。そこに現実の親子とか(ヤクザな)義理の親子とか、家族というハートウオーミンな話が絡んだりします。この西田敏行と常盤貴子のわだかまりが氷解する、その一歩を踏み出すこととがゲロッパ(GETUP)なんでしょうね。

 この映画は、ほんとに端役であっても「人生」がありまして、それは特にタクシーの女性運転手のエピソードなんかにも現れています。ここは感動と笑いとがいちばん均等に交じり合い、今思ったんですけど、「ゲロッパ」を端的に表現してるシーンというのは言いすぎかしら。
 笑いと言えば映画館の中は常に笑いがおきてまして、たしかにベタすぎなギャグといえばそうなんですけど、私は大好きですね。いちばん多かった客層であるおばちゃんたちと一緒に笑い転げてました。山本太郎も懐かしのダンス甲子園を彷彿とさせるダンス見せてくれますしね。戸塚ヨットスクールズですね。メロリンキューです。萌え。


 それで映画観てるうちになんか「みんないいやつ」だなあとか思うんですけど、こいつらヤクザでした。そもそも事の発端が「親分がムショに入るから、その前に」ということで「ムショ」っすよ、刑務所。なにやったかは語られてはないんですけど、悪行の結果が刑務所でして、そこは騙されないようにしないといけませんねえ。
 とか・・・どうでもいいんですけどね、そんなの(笑) 映画は楽しけりゃいいってことで、あとは観客個人のレベルの問題です。とはいえ、オープニングでヤクザの本質が生々しく描かれいます。まず「ヤクザとは本来こういうものだ」と注意喚起した上でほのぼの路線、これは私はすばらしいと思いますね。むりやり良く見ようとしてますが。

 すばらしいといえば、これもオープニングなんですけど空撮が入るんですね、川の土手の。これ絵面だけ見たらどうみても金八先生なんですけど、JBのサウンドが入るとなんかこう、オシャレ・ノスタルジック・アーバンシティになるという、超魔術。


 最後チョッとネタバレなんですけど、別にJBでてきません。いや、そっくりさんは出てくるんですけどね。まあネタバレもなにもそんなもん、見る前から誰しもわかってるっつう話でしょうけど。どこからみても低予算映画ですもん。
 それでそっくりさん、いわばニセモノなんですけど、これはほかにもたくさん出てきます。森進一、美空ひばり、他いろいろ。つまりモノマネイベントが劇中あるんですけど、ここがまたいいんですね。イベント会社経営者でもある常盤貴子がスポンサーに「所詮モノマネ」って言われて啖呵を切る場面です。ここのシーンは監督的にもそれなりの思いあるんじゃないかなあとか思いました。ニセモノとホンモノ、マネとオリジナル。ここっていろんな意味が汲み取れる場面です。いろいろ汲み取れるってことは特に言いたいことがないという考え方もあるんですけどね(笑)


 たくさんの要素が詰め込みすぎ、めまぐるしくていろいろ描ききれてない感もあるんですけど、宣伝文句「スーパーファンキー★痛快娯楽ジェットコースタームービー!!」っていうところでオールオッケーです。勢いがすてきな映画です。
 それで下にもリンク貼ってますけど、小説版もあるんですねゲロッパ。でもこれは脚本的なものでなく、映画の補完的役割だそうでして、山本太郎や常盤貴子演じるキャラのそれまでの人生を描いてるとかなんとかだったと思います。映画観る前に、映画宣伝で監督がラジオでそんなこと言ってたの聞いたときは、ほんとどうでもいいと思ってたんですが、今は読みたいですね。彼ら彼女らについてもっと知りたいなあと、今はそういう気分です。

 西田敏行とニセJBがかっこよく見えるクライマックスから現実架空ノーサイドのスタッフロール。ソウルヘッドがいかにもなED楽曲作っててこれもイイ。ストーリーの決着のつけかたは正直「ダメじゃん!」とは思ったけれど、井筒監督が各所で自信満々に宣伝してただけはありました。監督にはこれからもどんどんこんな楽しいB級映画を作っていただきたいですね。

 C・・・級かなあ(笑)

 JB本物出てきてたらB級。
 

ポスターからベタベタ。昭和臭い。




成金趣味。




踊る岸部一徳、メロリンキュー山本太郎、舌っ足らず桐谷健太。




西田敏行がかっこよく見えちゃうのはどういうことだ。




塩見三省たん。しぶい。




相変わらず輪郭のすごい常盤貴子と、次第にかわいく感じちゃう太田琴音たん。

公式サイト:http://getup.so-net.ne.jp/

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