王子様はいつ現れるの?
筋書きと違う!
こんな姿を見たらきっと嫌われるわ
俺のことを誰もわかろうとしてくれない
俺は化物だ
恐くない?
ぜんぜん
シュレックは怪物だ。森の中でひとり孤独に暮らす怪物だ。
なぜ孤独かって、皆が彼の姿を怖がるから。怪物だから。
ある日、領主・ファークファード卿により町を追放された童話のキャラクターたちが、シュレックの住む森に逃げてきた。ひとり「静かな」生活を望むシュレックはファークファード卿に直談判する。追放を解除して自分の家の周りを静寂にもどしてくれ、と。
静かな生活を取り戻すための条件は、ファークファード卿の妻となるべきだとファークファード卿が勝手に決めたフィオナ姫を、竜の住む城から助け出すこと。
いつのまにかまとわりつく喋るロバ・ドンキーをお供に、シュレックは旅立つ。
・・・わけだが、姫さん自力で逃げれるのに待ってるし。王子様を。
つまり白馬の王子様症候群てわけですね、ヒロインが。
いきなりキツいなこの映画。辛辣。
ほかにも辛辣なことだらけ。
シュレックは、その外見故に皆から誤解を受けていると言う。
ファークファード卿は背が低いというコンプレックスから、外見や形式にこだわる。
誰も本当の私をわかってくれない。本当の俺はこんなもんじゃない!ってね。
我、我、我。我ばっか。みんな我がことばかり。
自戒も含めて、チクチク。
本当の私も嘘の私も、どっちも私。本当も嘘もない。どちらも真実。
「私」とはなに?
鏡の中に見える君? 自分の人差し指で指さしてるこれ? 脳? 何?
じゃあ「私」が「これ」であると考えているものはいったい「どこ」。
実は私たちは「私」のことをしっかりと考えたことがあるのか。
それさえなくして、何をか言わんや。他人に答えを、助けを求めてどうする?
なんてことはどうでもよくって。おもろいよこの映画。
私たちがよく知っている童話や映画のパロディが、それだけでもおもしろい。
フィオナ姫がおもろい。
そのアクション。いやマトリックス的なアレ(ジャンプ・ストップ・かいてーん・蹴り!)だけじゃなくってさ。つくりこみがすごいよ姫。ビロードなドレスはもちろん、姫自体も! 肌が、肌が、色っぽい。なんかドキドキしちゃったもん。もんって言うな。
CGアニメの歴史に残るねえ、これは。
ちなみに私、字幕スーパー版のほうを観ましたが、日本語吹き替え版も魅力的。
浜田雅功、藤原紀香、山寺宏一に伊武雅刀だもの!
ってそれほど興奮することもないけどね。
関連作品
「シュレック2」
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